「湊神社の天狗」和歌山市

和歌山県内の各地に伝えられているさまざまな民話や伝承、史跡の由来、実在の物語などを伝える「紀州民話の旅」第7弾は、和歌山市湊にある「湊神社」です。
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「湊神社の天狗」
今の湊神社のあるへんは昔は松林やった。
そのはたに、そら大きな松の木があったんやして。
そいでな、その松の木に毎年一回、きまって烏(からす)天狗が飛んできたんやと。
烏天狗って知ってるか?
わしもよう知らんねやけどなんでも大天狗さんの子分らしいわ。
だいたい天狗さんちゅうのは、額が真っ赤で、長いハナをピンと伸ばし、白い髪で白いヒゲを生やしているんやけど、烏天狗の方はまだ修業中やよって類の色も真っ黒やし、ハナも伸びてないし、丁度くちばしのようにとがった口らしいで。
ま、うんと修業したらそのうちに大天狗さんになれるんやろかい。
そいでな、その烏天狗いうのは、年に一回、神様のお使いで村へやってきて、村に住んでる人たちを調べるんやて。
誰それとこに赤ちゃんが生まれたとか、誰とこにお嫁さんが来たとか、誰が死んだとか・・おまけに、どこの子どもがええことしてるか、どこの子どもが悪さばかりしているかもちゃんと調べていくんや。
ところで、烏天狗の笑い声ちゅうたら、そらもうおとろしもんやで。
なんでも風の吹く晩に、烏天狗らが集まって、高い松の木の上で、いろいろと相談するんやそうな。
その時、カラッ、カラッ、カラッちゅうてな、丁度、雷さんの空鳴りみたいな、それでいてお腹の底までしみわたるような声で笑うんやて。
わしも小さい頃に、一ペんだけ聞いたことがあるんや。
そらもうおとろし声やど。
あくる日に、わしら子どもが集まった時に「お前ら、天狗さんの笑い声、聞いたか」いうて尋ねてみたら、みんな聞いた、聞いた、いうておとろしそに顔を見合わせとったわ。
とくに天狗さんは、ふだん悪いことばっかしやってる子どもの家の屋根へ止まって笑うちゅうて、そらもう風の吹く晩はこわかったもんや。
ひょつとしたら、今でも風の吹く晩は、烏天狗が空を飛び回って、悪い子どもを調べてるかも分からんのう。
なにさま、紀の国は木の国ともいうて、めっぽう木の多いところやよってな、天狗さんが住むには都合がええのやろかい。
どこへ行っても天狗さんの話が残されてるわな。
まあ山で修行している修験者のことをいうたんかも知れやんが、やっばし気味の悪い話やの。


(所在地)
 和歌山市湊2-2193


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2011/08/08 21:47 | COMMENT(2)TRACKBACK(0)

コメント

ビッコロさんへ

カラスはキョロキョロしますので、確かに調べものをしているように見えますね!
柳井学園残念でした!
せっかくですから、智弁対決を見てみたいですね!

No:497 2011/08/11 21:11 | 二朗 #- URL [ 編集 ]

そういえば

今朝方、田んぼの水回りをしていましたらカラスがいました。そういえば調べものをしていたような気がしてきました。悪いことは出来ないものです。
ところで夏の高校野球、やまぐちの柳井学園は検討むなしく破れましたが、伝統校の智弁和歌山高校は一回戦突破ですね。奈良の智弁学園は明日ですね。この暑い夏、高校球児の体力にはかないません。
明日からお盆の休暇に入ります。長男坊はお盆つとめもあり、ゆっくり出来そうにありません。

No:494 2011/08/11 08:49 | ピッコロ #UYqLhazk URL編集 ]

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